はじめに
前回のブログでは、税理士選びで重視したいポイントについて解説しました。
その中で、「税務調査対応の経験」も税理士選びの重要なポイントの一つであるとお伝えしました。
税務調査は、開始から終了まで数か月に及ぶこともあり、納税者(法人・個人事業者)にとって精神的にも時間的にも負担の大きい手続きです。
そのため、税務調査の経験がある税理士に依頼することで、納税者の負担軽減や調査の円滑な進行につながります。
そこで今回からしばらくの間、税務調査に関する内容をテーマにブログを書いていこうと思います。
税務調査という言葉は聞いたことがあっても、「税理士が具体的に何をしているのか」についてはあまり知られていないと思います。
そこで今回は、税務調査において税理士が行う業務について解説したいと思います。
税務調査とは?
税務調査とは、過去に提出した確定申告書の内容が正しく作成されているかを税務署が確認する手続きです。
日本の税金は「申告納税方式」が採用されているため、納税者自身が売上や経費を集計し、その内容に基づいて税額を計算して申告を行います。
そのため税務署では、提出された申告書の内容について、
・売上の計上漏れはないか
・経費の計上に問題はないか
・税額の計算に誤りはないか
などを確認するために税務調査を行います。
税務調査というと、
「追加で税金を払わないといけない」
「税務署から厳しく指摘される」
といったイメージを持たれる方も多いかもしれません。
また、突然税務署から連絡が来た場合、どのように対応すれば良いのか分からず不安になる方もいらっしゃると思います。
そうした場合に、税理士へ税務調査対応をご依頼いただくことがあります。
では実際に税理士はどのような業務を行っているのでしょうか。
税務調査で税理士が行う業務
税務調査において税理士が行う業務は非常に多く、大きく次の3つに分けることができます。
・実地調査前の業務
・実地調査当日の業務
・実地調査後の業務
また、税務調査全体を通して行う業務として、税務署との窓口対応があります。
税務署からの連絡対応、日程調整、資料提出依頼への対応などは税理士が窓口となって行うことが一般的です。
納税者ご自身が事業を行いながら税務署対応を行うのは大きな負担になります。また、税務に関する知識が必要となる場面も多くあります。
そのため、税理士に依頼することで税務署とのやり取りを任せることができ、納税者の負担を大きく減らすことができます。
実地調査前の業務
実地調査前には主に次のような業務を行います。
・調査前の事前打合せ
・税務署との日程調整、調査場所の調整
・会計資料や申告内容の確認
・想定される論点の整理
・追加説明資料の作成
この段階は、税務調査全体の中でも特に重要な部分です。
事前に申告内容や資料を確認し、税務署から質問されそうな事項を整理しておくことで、調査当日の対応をスムーズに進めることができます。
税務調査は当日だけが重要なのではなく、事前準備によって結果が大きく左右される場合もあります。
実地調査当日の業務
実地調査当日には次のような業務を行います。
・調査立会い
・売上や経費の計算根拠の説明
・税法上の取扱いに関する説明
・追加資料の提出対応
・税務署からの確認事項への対応
税務署職員からの質問に対し、税理士が会計処理や税法上の考え方を説明することで、納税者が直接対応する負担を軽減することができます。
また、その場で資料の提出を求められることもあり、必要に応じて追加資料の準備を行います。
実地調査終了時点で問題がなければ、そのまま調査終了となります。
一方で、税務署が申告内容に問題があると判断した場合には、その後の協議へ進むことになります。
実地調査後の業務
実地調査後には次のような業務を行います。
・未提出資料の提出
・追加確認事項への回答
・税務署との協議
・修正申告対応
税務署から指摘事項があった場合には、その内容について税務署との協議を行います。
事実関係や税法の解釈について税理士として説明を行い、依頼者の利益を守るために対応していくことになります。
この協議が長引く場合には、税務調査全体の期間も長くなります。
協議の結果、修正申告が必要となった場合には、修正申告書の作成や納税手続きのサポートも行います。
税理士へ依頼した場合に納税者が行う主な業務
税理士へ税務調査対応を依頼した場合でも、納税者ご自身にご協力いただく事項はあります。
調査前
・日程調整への協力
・資料の準備
・事前打合せへの参加
調査当日
・事業内容の説明
・調査結果の確認
調査後
・追加資料の準備への協力
・必要に応じた協議への参加
・修正申告時の納税
特に調査当日の事業内容の説明については、事業を実際に行っている納税者ご本人にしか説明できない部分もあるため、ご協力いただくことになります。
おわりに
今回は、税務調査において税理士が行う主な業務について解説しました。
税務調査というと、「調査当日に税理士が隣に座っているだけ」というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、
・調査前の資料確認
・納税者との打合せ
・税務署との日程調整
・調査当日の立会い
・税務署との協議
・修正申告対応
など、多くの業務があります。
そのため、税務調査の立会料は単に「当日の立会い」に対する料金ではなく、税務調査全体を通じた業務に対する報酬として設定されていることが一般的です。
次回は、
「税務調査の立会料はなぜ高いのか?」
をテーマに、税理士が実際に行っている業務と料金の考え方について解説したいと思います。

コメント