前回の記事では、東京と大阪で確定申告料金に差があることについて書きました。
その中で、
「安いなら、そこに頼めば良いのでは?」
と思われる方もいらっしゃると思います。
もちろん、料金が安いこと自体は悪いことではありません。
ただ、税理士選びを“料金だけ”で決めてしまうと、後から困るケースもあります。
今回の記事では、税理士料金が安い理由や、料金だけで選ぶ場合の注意点について解説したいと思います。
なお、「料金が安い=悪い」「料金が高い=良い」というわけではありません。
料金差には、それぞれ理由があります。
今後税理士に依頼する際は、料金だけではなく、サービス内容も含めて比較していただければと思います。
安い税理士には理由がある
私がこれまで会計業界で働いた経験や、同業の知り合いとの情報交換の中で感じることとして、税理士の料金が安い場合には、
- 職員1人あたりの担当件数を増やしている
- サービス内容を限定している
といった理由があることが多いです。
もちろん、上記以外の理由で料金を安くしているケースもありますが、多くはこのどちらかに該当する印象があります。
その場合、料金の安さだけを理由に税理士を選んでしまうと、次のようなデメリットが生じる可能性があります。
- ①レスポンスや対応が遅い
- ②税務相談・節税提案が少ない
- ③担当者が頻繁に変わる
- ④基本料金以外に追加費用が発生しやすい
- ⑤決算・申告直前だけ慌ただしい
以下、それぞれについて解説したいと思います。
料金の安さだけを理由に選んだ場合のデメリット
①レスポンスや対応が遅い
料金が安い場合は、採算を確保するため、職員1人あたりの担当件数が多くなる傾向があります。
担当件数が非常に多い場合、職員の業務量も増え、結果として返信や対応に時間がかかるケースがあります。
特に、繁忙期である確定申告時期(2〜3月)や、法人決算の多い5月などは、優先対応が必要な業務が増えるため、通常以上にレスポンスが遅くなることもあります。
②税務相談・節税提案が少ない
料金を抑える代わりに、入力・申告業務を中心とし、提案業務や打合せ回数を少なくしているケースもあります。
例えば、
- 役員報酬の調整
- 消費税の判定
- 法人成り
- 設備投資のタイミング
といった提案が少ない場合があります。
もちろん、「記帳と申告だけお願いしたい」という考え方もありますので、一概に悪いとは言えません。
ただ、税務相談や提案を重視したい場合には、事前にサービス内容を確認しておくことが大切です。
③担当者が頻繁に変わる
担当件数が多い事務所では、職員の負担も大きくなりやすく、結果として担当変更が頻繁になる場合があります。
担当者が変わると、
- 過去の経緯を毎回説明する必要がある
- 業種理解に時間がかかる
- 相談しづらくなる
といった負担が生じることもあります。
④基本料金以外に追加費用が発生しやすい
基本的な顧問料や申告料は安く設定されていても、
- 年末調整
- 記帳代行
- 各種届出
- 消費税申告
などが別料金になっているケースがあります。
もちろん、突発的な業務や通常範囲を超える対応について追加料金が発生すること自体は珍しくありません。
ただ、基本料金が安い場合には、追加費用が発生しやすい傾向もあります。
そのため、契約前に、
- どこまでが基本料金に含まれるのか
- 追加料金が発生するケースは何か
を確認しておくことが大切です。
⑤決算・申告直前だけ慌ただしい
料金が安い場合には、定期的な訪問や打合せを減らしているケースがあります。
例えば、
- 半年に1回のみ面談
- 決算前後のみ打合せ
としている事務所もあります。
また、記帳についても、決算前に1年分まとめて処理を行うケースがあります。
その場合、
- 納税予測
- 節税対策
- 資金繰りの確認
などを事前に行いづらくなります。
結果として、決算・確定申告直前に慌ただしくなってしまうことがあります。
最後に
以上が、料金の安さだけで税理士を選んだ場合に考えられる主なデメリットです。
ただし、上述した通り、
「料金が安い=悪い」
「料金が高い=良い」
というわけではありません。
不要だと考えるサービスに対して費用を払いたくない、記帳と申告のみ依頼したい、という考え方も十分理解できます。
大切なのは、お客様が求めているサービスと料金が一致していることです。
つまり、価格とサービス内容のバランスが重要だと思います。
税理士選びでは、
- 料金
- 対応スピード
- 相談しやすさ
- 提案内容
などを総合的に比較することが大切です。
料金だけではなく、サービス内容も比較したうえで、自分に合った税理士を選ぶことが大切だと思います。

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