はじめに
前回の記事では、「料金の安さだけで税理士を選ぶデメリット」について解説しました。
税理士選びでは、料金だけではなく、サービス内容も含めて総合的に判断することが大切です。
ブログを読まれた方の中には、
「では、何を基準に税理士を選べば良いのだろう?」
と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、税理士側の視点も踏まえながら、「税理士選びで重視したいポイント」について解説したいと思います。
この記事が、税理士選びの参考になれば幸いです。
税理士選びで重視したいポイント
①依頼目的を明確にする
まず大切なのは、自分が税理士に何を依頼したいのかを明確にすることです。
例えば、
- 確定申告だけ依頼したい
- 顧問契約を結びたい
- 法人成りについて相談したい
- 相続税申告を依頼したい
- 税務調査の対応をお願いしたい
など、依頼内容によって必要なサービスは異なります。
また、税理士にも専門分野や得意分野があります。
大手税理士法人を除けば、多くの税理士事務所は得意分野を中心に業務を行っています。
そのため、まずは依頼目的を明確にし、その業務に対応可能な税理士かどうかを確認することが重要です。
②料金体系とサービス内容が明確か
次に確認したいのは、料金体系とサービス内容が明確かどうかです。
料金体系とサービス内容が明確であれば、
- どの業務を依頼できるのか
- 料金はいくらかかるのか
- 追加費用は発生するのか
が分かりやすくなり、安心して依頼することができます。
特に追加費用については事前確認が重要です。
基本料金が安くても、追加費用が発生した結果、トータルの料金が高くなることもあります。
依頼したい業務が基本料金の範囲内なのか、それとも追加料金が必要なのかによって、最終的な費用は大きく変わります。
そのため、料金体系・サービス内容・追加費用の有無は、税理士選びで重視したいポイントの一つです。
ここまでの内容は、多くの方が思い浮かべるポイントかもしれません。
一方で、顧問契約など長期的な関係を前提とする場合には、これ以外にも重要なポイントがあります。
ここからは、長く付き合う税理士を選ぶ際に重視したいポイントについてご紹介します。
③価値観やコミュニケーション感覚が合うか
税理士との価値観やコミュニケーション感覚が合うかは、長く付き合ううえで非常に重要です。
例えば連絡方法一つをとっても、
- LINEで相談したい
- メール中心が良い
- 電話で相談したい
- Zoomで打合せしたい
- 対面で相談したい
など、人によって希望は異なります。
また、
- レスポンスの早さを重視する
- 定期的に打合せをしたい
- 必要な時だけ連絡したい
など、コミュニケーションに対する考え方も人それぞれです。
そのため、ご自身の価値観やコミュニケーション感覚に合った税理士を選ぶことが大切です。
④相談しやすさ・税理士との相性
税理士との相性も重要なポイントです。
例えば、
- 連絡やレスポンスの早さ
- 説明の分かりやすさ
- フットワークの軽さ
- 気軽に相談できるか
- 打合せ頻度
などは、税理士によって大きく異なります。
また、同じ税理士であっても、人によって感じ方は異なります。
そのため、面談や相談の機会があれば、
「この人なら相談しやすそうか」
という視点で確認してみることをおすすめします。
⑤積極的な提案やコンサルが必要か
税理士事務所には、
- 記帳や申告を中心に行う事務所
- 提案やコンサルティングにも力を入れている事務所
があります。
例えば、
- 役員報酬の見直し
- 法人成りの提案
- 設備投資のタイミング
- 資金繰りの相談
などを積極的に行う事務所もあります。
どちらが良いということではなく、お客様が求めるサービス内容と一致しているかが重要です。
提案やコンサルティングを重視したい場合には、事前に確認しておくことをおすすめします。
⑥実際に誰が対応するのか
契約時には税理士本人と面談していても、契約後の対応は職員のみというケースもあります。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただし、
- 誰が担当になるのか
- 税理士本人に相談できる機会はあるのか
を事前に確認しておくと安心です。
特に長期的な顧問契約の場合には、実際の担当者との相性も重要になります。
⑦クラウド会計への対応
クラウド会計への対応状況も確認したいポイントです。
現在では、
- freee
- マネーフォワード
- 弥生会計オンライン
などのクラウド会計を利用する事業者も増えています。
一方で、クラウド会計に積極的な事務所もあれば、従来の会計ソフトを中心に利用している事務所もあります。
クラウド会計を利用したい場合には、対応可能な税理士事務所かどうかを確認しておくと良いでしょう。
⑧税務調査対応の経験
最後に確認したいのが、税務調査への対応経験です。
税務調査が行われた場合には、
- 税務署との日程調整
- 実地調査への立会い
- 税務署への説明や対応
- 修正申告の検討
などを行うことになります。
税理士は、税務署とのやり取りや説明を行い、必要に応じて見解を伝える役割もあります。
そのため、
- 税務調査に対応しているか
- 調査立会の経験があるか
- 税務調査時の料金体系はどうなっているか
についても、事前に確認しておくと安心です。
まとめ
以上が、税理士選びで重視したいポイントです。
初めて税理士に依頼する場合はもちろん、税理士の変更を検討されている方にも参考になる内容だと思います。
私が特に重要だと考えているのは、④の「相談しやすさ・税理士との相性」です。
事業を続けていると、税理士とも長い付き合いになる可能性があります。
税理士は単に申告書を作成するだけではなく、事業の状況に応じて相談相手になることもあります。
そのため、気軽に相談できる税理士であることは、とても重要なポイントだと思います。
また、実際に税理士変更の相談を受けるケースでも、事業規模の変化がきっかけになっていることが少なくありません。
例えば、
- 売上の増加(または減少)
- 法人成り
- 多店舗展開
- グループ会社の設立
- 従業員の雇用
- 消費税の課税事業者への移行
- インボイス制度への対応
といったタイミングです。
このような変化が生じると、税理士に依頼したい内容も変わります。
また、現在の税理士がその業務に対応できるのか、料金やサービス内容が適切なのかを見直す機会にもなります。
税理士は申告だけの関係ではなく、事業の変化に合わせて長く付き合う可能性があります。
そうした視点も踏まえて税理士を選ぶことで、ミスマッチを減らすことができるのではないかと思います。

コメント